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関西プラッと便 東寺と京都水族館を巡る

関西プラッと便

2014年8月22日掲載

  近鉄電車の車窓からも、ひときわ大きく見える東寺・五重塔は京都のランドマークタワーです。空高くそびえる塔の姿を目にすると、そこはもう、京都の南玄関口。今回は近鉄、JR京都駅を挟んで、南北に位置する世界遺産の東寺と日本最大級の内陸型水族館として脚光を浴びる「京都水族館」を訪ねました。

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■毎月21日と第一日曜日に「市」でにぎわう東寺。掘り出し物に出会えば幸運
  近鉄京都駅の1駅手前にある東寺駅で下車し、改札口を出ると、五重塔の巨大なシルエットが目の前に迫ってきます。高さ約55メートル、木造建築としては日本一の高さを誇り、その偉容は圧巻です。リュックサックを担いだ人や、大きな紙袋を抱えた人が、列をなして、西側の東寺に向かって歩いて行きます。この日は毎月第一日曜日に催される『東寺ガラクタ市・手作り市』が開かれていました。市の入場は無料です。東寺の市は弘法大師・空海が入定した「21日」の日に毎月開く『東寺弘法市』が始まりですが、約30年前に弘法市とは別に、第一日曜日にも市を開催することにしたそうです。
  正面玄関の南大門をくぐると、所狭しと約300の出店が並んでいました。陶器や古民具などはもちろんですが、映画のポスター、ゴジラや鉄腕アトムのフィギュア、レトロな雰囲気を漂わせる昭和期の看板など、マニア垂涎(すいぜん)の商品が販売されています。着物の反物もあります。反物を抱えて記念撮影する外国人の女性やアンティークな腕時計を手に取って品定めする人たちは時間の経つのを忘れて市を楽しんでいます。東寺出店運営委員会の大西晴春会長は「東寺の市は日本一。掘り出し物がいっぱいあります。目利きの人は自分の目の確かさを楽しんでください」と話していました。大西さんによると、弘法市には約1200の出店があり、第一日曜日の市の3、4倍の規模です。特に年始めの「初弘法(1月21日)」、年末の「終(しま)い弘法(12月21日)」は京の風物詩にもなっており、実際に驚くような掘り出し物を「安く買い当てた」というエピソードも絶えません。

■密教の根本道場として今も栄える東寺
  東寺は1994年に「古都京都の文化財」として世界遺産に登録された名刹(めいさつ)です。平安京を鎮護するために創建され、823年(弘仁14年)に、嵯峨天皇から弘法大師・空海に下賜(かし)されました。「教王護国寺」とも呼ばれる真言密教の根本道場で、五重塔(現在の塔は江戸時代に再建、国宝)をはじめ、堂塔の多くは国宝や重要文化財に指定されています。市のない平日でも、仏像などを鑑賞すれば、ゆったりとした時間を過ごせます。拝観料(大人500円、高校生400円、小中学生300円)を払うと、金堂(国宝)、講堂(重文)が参拝できます。仏像への造詣が深くない人でも、その迫力満点の姿を目の前にすると、信仰の一端にふれたような気がするから不思議です。なかでも、講堂の五大明王像(国宝)は、明王像としては同寺御影堂の像と並んで日本最古と言われ、密教の代表的な仏像です。仏教の法具を手に持って、目を見開いてにらみつける、憤怒(ふんぬ)の形相は見る人を圧倒します。

■「京都水族館」は海のない京都盆地に誕生した日本初の100%人工海水利用型水族館
  次は海のない京都盆地に人工海水を製造する技術をとり入れて建設された京都水族館に足を運びました。東寺から北へ約1キロ。大宮通に沿って、JR東海道線、山陰線の高架をくぐると、緑が目にしみる梅小路公園に出ます。水族館は公園の北端にあります。地上3階建て、延床面積約1万1000平方メートル。山の水源から生まれたしずくが川となって、海へ流れ込み、再び里山へ帰ってくる「水と共につながる、いのち。」を水族館のコンセプトにしています。館内は9つのゾーンに分かれ、オオサンショウウオ、ゴマフアザラシ、ケープペンギンなど約250種、約1万5000点を展示しています。
  まずは、入り口右手の京都の川を再現した「京の川ゾーン」から。鴨川上流域を再現した全長約14メートルの水槽にはオオサンショウウオが、気持ちよさそうに群がっています。木や岩とよく似た色合いですが、目を凝らせば、「あそこにも」「ここにも」とたくさんのオオサンショウウオがいます。広報室係長の関麻美さんによると約40匹展示しているそうです。足の指を動かす様子もよく分かります。入館者から「かわいい!」と声が上がっています。オオサンショウウオがこんなにかわいいとは、ちょっとした発見です。
  由良川を再現した水槽にはイワナやヤマメが泳いでいます。アザラシやオットセイがいる「かいじゅうゾーン」、「ペンギンゾーン」、さんごの海がある「海洋ゾーン」、日本海を再現した水深約6メートルの大水槽ではエイやイワシの群れが泳ぎ回っています。屋外のイルカスタジアムではイルカのパフォーマンスが楽しめます。

■水族館の中に「京の里山ゾーン」が。京野菜を使ったフードも好評
  京都水族館は遊びながら学べる体験プログラムも開催しています。その一つが「バックヤードツアー」(税込500円)です。繁忙期をのぞけば、小学4年生以上なら当日受付で参加でき、水族館の裏側の仕事を見学し、スタッフと一緒にエサやりもできます。見るだけでなく学ぶこともできる水族館の楽しみ方です。また、里山の原風景を再現した「京の里山ゾーン」の展示も特色の一つです。そこには緑豊かな棚田があり、小川が流れ、水辺には鳥も飛来します。京都の自然や生態系に親しむという発想です。関さんは「棚田で地元の小学生らと稲を育て、秋には収穫します。冬は畑に聖護院大根などの京野菜も植えています」と話してくれました。
  館を一回りすると、1時間半から2時間ほどかかるので、一休みできるカフェなども工夫を凝らしています。京漬物を使ったホットドッグ、九条ネギをあしらったハンバーガー、ゴマフアザラシやイルカ、カニをかたどったパンなど人気商品もあり、これらを楽しみにするリピーターも多いそうです。最後に、ミュージアムショップへ。数多いグッズの中でも、オオサンショウウオのぬいぐるみが大人気で、LLサイズは年間で約2万本も売れているそうです。「京の川ゾーン」で見たオオサンショウウオのかわいい仕草を思い浮かべれば、なるほどと納得しました。
  水族館を出ると、緑に包まれた梅小路公園が広がり、西には「梅小路蒸気機関車館」が隣接しています。古寺と水族館を楽しんだ後は、汽笛を鳴らして走るSL号で爽快な気分に。この周辺は京の新旧の名所がマッチしたワンダーランドです。

〈梅小路公園〉
  平安遷都1200年を記念して1995年、JR貨物梅小路駅跡地に開園。公益財団法人京都市都市緑化協会が管理運営する12.8ヘクタールの都市公園です。「芝生広場」「河原遊び場」「市電ひろば」「すざくゆめ広場」などが市民の憩いの場になっています。また、日本庭園の「朱雀の庭」と自然の生態系を復元したビオトープ「いのちの森」は一体のコースで、有料公開(小学生以上200円、月曜休み)しています。問い合わせはTEL075-352-2500


〈京都水族館〉
  営業時間9:00~17:00(季節により変動あり)。年中無休(施設点検で臨時休業あり)。入場料は大人2050円、大学・高校生1550円、中小生1000円、幼児(3歳以上)600円。年間パスポートは大人4100円、大学・高校生3100円、中小生2000円、幼児(3歳以上)1200円。9月24日まで、福井県立恐竜博物館の協力で「京都水族館に『恐竜』がやって来る!」を開催し、大型恐竜の全身骨格標本などを展示しています。問い合わせはTEL075-354-3130、FAX075-354-3170  ホームページhttp://www.kyoto-aquarium.com/


〈梅小路蒸気機関車館〉
  1972年に日本の鉄道開業100周年を記念して、旧梅小路機関区に開設。明治・大正・昭和の代表的な蒸気機関車17形式、19両を保存・展示しています。展示資料館は旧二条駅舎を移築したものです。蒸気機関車を展示した扇形車庫は重要文化財に指定されています。動く状態で保存した蒸気機関車が7両あり、SLスチーム号として客を乗せて展示運転線(往復約1キロ)を走ります。営業時間10:00~17:30。水曜日休館(祝日と3月25日~4月7日、7月21日~8月31日は開館。12月29日~1月3日は休館)。入館料は高校生以上410円、4歳以上100円。SLスチーム号乗車料金は高校生以上200円、4歳以上100円。問い合わせはTEL075-314-2996


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