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関西プラッと便 御在所岳、湯の山温泉を歩く

関西プラッと便

2014年1月31日掲載

  三重県と滋賀県の県境に位置する御在所岳(標高1212メートル)は、関西で樹氷が見られる山の一つとして知られています。山頂にはスキー場もあるのでロープウエイで登ることもでき、ふもとには、「湯の山温泉」街が広がっています。銀世界のロマンを楽しんだ後、ゆったりと温泉に入り、凍え切った体を温めてみませんか?

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■ロープウエイはスリル満点
  近鉄「湯の山温泉」駅を降りると、観光情報ステーション「0番線」があります。同ステーションスタッフの山岡亮さんから地図をもらい、温泉地の観光名所を聞くと「湯の山温泉と言えば恋愛成就で有名です。折り鶴伝説のお寺や赤穂浪士ゆかりの公園などがあります。御在所岳の頂上からは、運が良ければ富士山や琵琶湖も見えます」。なんだか、ゆっくりと楽しめそうな温泉です。
  まずは、バスに乗って湯の山温泉バス停で下車、そこから歩いて御在所ロープウエイ湯の山温泉駅に向かいます。
  御在所岳に登るロープウエイは片道12分、標高差800メートルを一気に登って行きます。ロープを支える鉄塔の一本は高さ61メートルもあり、その高さは日本一。まさに、スリル満点です。山頂に近づくにつれて、そそり立つ岩が迫り、男性的な岩の形に圧倒されます。よく見ると、歩いて登ってきた人たちが手を振っています。御在所岳の登山コースは、奇妙な岩の形を楽しめるコースとして人気があるそうです。

■自然の芸術・樹氷に感動
  山上公園駅に到着しました。正午の気温はマイナス4度。早朝の時点ではマイナス7度だったそうです。ここには、「富士見岩展望台」「朝陽台」があり、天気がいい日は富士山、伊勢湾が見えるそうですが、日ごろの心がけが悪いのか残念ながら、この日は天気が悪く見えませんでした。でも、一面に広がる樹氷原の美しさに目を奪われます。ロープウエイの企画広報担当の進士勝宏さんによると、「樹氷は、水蒸気(湿気)が適度にあり、風があって、気温が氷点下以下になるという自然条件が重なった時にできます。1月、2月がよく見られます」とのこと。まさに、自然が生んだ芸術品、冬の華です。
  山上はスキー場になっていて、多くの家族連れがスキーを楽しんでいます。それを見ながら、リフトに乗って頂上を目指します。ここに一等三角点がありました。頂上らしく雪とともに顔に当たる風に痛みを感じます。隣には、滋賀県と三重県の境界線の道標が立っています。すぐ向こうには伊吹山がうっすらと見えています。

■寒い山頂で熱々のカレーうどんでホカホカ
  お腹が減ってきたのでレストラン「アゼリア」に向かいます。入り口付近に氷瀑がありました。この氷瀑は水を霧状にして吹きかけて造ったものですが、巨大な氷の塊に圧倒されます。さて、レストランでお勧めのメニューを聞いてみました。「冬の人気メニューはカレーうどんです。ご当地メニューの伊勢うどんにカレーのルーを絡ませたものです。体が温まりますよ」。確かに、ふうふう言いながら食べていると、額に汗が出てきます。

■折り鶴伝説が残る三岳寺
  ロープウエイで下山した後は、温泉街の観光です。最初に向かうのは、湯の山温泉の名所で、多くの人が訪れる天台宗・冠峯山三岳寺。観光情報ステーションの山岡さんが話していた恋愛成就のお寺です。
  そのいわれは湯の山温泉協会のホームページを見ると、「ときは江戸時代。上方の大店、ひとり娘の葵と使用人の佐吉は、結ばれぬ恋を思いつめ湯の山に。そして、蒼滝にふたりで身を投げようとしたその時、ひとりの僧兵が現れ『温泉にでもつかれば、気持ちも変わるかも知れんぞ』と励ましたのです。その言葉に気を取り直したふたりが湯に入ると、なぜか思い詰めていた気持ちが、ほんのりと解けていくのが分かりました。あくる朝、僧兵に礼を言おうと三岳寺を訪れたところ姿がみえません。せめて感謝の気持ちを伝えようとふたりは鶴を折り、寺へ奉納しました。すると折鶴は連なってひらひらと舞い上がり、飛び立っていきました。この不思議な出来事に、明るい望みが生まれ、ふたりは上方に帰る決心をしたのです。それから数年後、幸せになったふたりは三岳寺を訪ね、住職にあの僧兵のことを話すと、もう何十年も僧兵はいないとのこと。ふたりを救った僧兵は仏様の仮のお姿だったのでしょうか……。今でも三岳寺では、永遠の愛と、幸せに結ばれることを願い、折鶴を奉納する恋人たちの姿が絶えません」と書かれています。
  これが、湯の山温泉で語り継がれている折り鶴伝説です。住職の斯波賢徳さんは「この伝説をもとに願い事を書いた折り鶴を奉納するため遠くから来るカップルも多くいます」と話し、お寺では、小石に名前を書いたカップルの恋愛成就のための祈祷もしています。
  続いて、お寺の下にある大石公園です。渓流・三滝川に推定900トン、広さ約30畳の大きな御影石があり、その大きさは日本一とも言われています。昔、大石内蔵助が参勤交代の時に訪れたというお話が伝えられています。ここは真夏には、渓流のプールとして開放されています。

■大人も熱中できる木工細工
  バス停「湯の山温泉」のそばに、グリーン工房を見つけました。NPO団体が間伐材を利用して木工細工の手ほどきをしてくれます。一番簡単にできそうなパズル作りに挑戦してみました。電動糸ノコギリを使って、板を切るのが刺激的です。作業手順を守って作業すれば、安全です。ボランティアの国保明さんによれば、「親子連れの利用者も多く、お父さんよりお母さんの方が必死になって切ったり、色付けしたりしています」。真っ直ぐに切れないなど四苦八苦しますが、物作りの楽しさを味わうことができました。

■雪景色を見ながら温泉で温まりましょう
  さて、いよいよお楽しみの温泉です。日帰りで温泉に入ることもできますが、やはり一泊して温泉で体をゆっくりと温めたいものです。夜、温泉に一人浸かっていると、しんしんと降ってくる雪。あたりが雪景色に変化していくのに見とれ、時が経つのを忘れしてまいました。

〈天台宗・冠峯山三岳寺〉
  平安時代初期の大同2年(807年)に最澄(伝教大師)によって開かれたと伝わっています。かつては数百人の僧兵を抱える大寺院でしたが、永禄11年(1568年)に織田信長の命により、滝川一益の軍勢が押し寄せ、焼け落ちました。江戸時代の貞享3年(1686年)に、当時の菰野藩主が現在の場所に薬師堂を建立したことにより再建されました。

〈湯の山温泉〉
  養老年間(717~724年)に温泉が発見されたと伝えられています。温泉街には十数軒の旅館があります。無色透明で、泉質はエマナチオンを多量に含んだアルカリ性のラジウム泉。神経痛や外傷、皮膚病、婦人病に効果があり、お肌がきれいになることから「美人の湯」とも呼ばれています。

〈御在所ロープウエイ〉
  【営業時間】▽4月1日~11月30日 9時~17時(下りは17時20分最終)▽12月1日~3月31日 9時~16時分(下りは16時20分最終)
  【料金】▽大人(中学生以上)片道1200円、往復2100円▽小人(4歳~小学生)片道600円、往復1050円▽幼児(4歳未満)は無料
  (TEL:059・392・2261)

〈グリーン工房〉
  ツリー、ペンダント、パズル、カレンダーなど、オリジナルの木工作品を作ることができます。ベテランのインストラクターが親切に指導します。   【営業時間】毎週日曜日9時~15時30分(受付は14時まで)
  【料金】500円~(内容に応じて金額は異なります)
  問い合わせ・予約は湯の山温泉協会(TEL:059・392・2115)

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